【現場の風】プレイステーションVR開発者が語る今後の展開 スマホ普及が追い風
□ソニー・インタラクティブエンタテインメントワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平さん(53)
--SIEのゲームソフト責任者として、仮想現実(VR)端末「プレイステーション(PS)VR」の開発に携わった
「ゲーム制作者はこれまでも、ユーザーがゲームの中に入ったような気持ちになる『没入感』を目指してきたが、VRはこれを最初の瞬間から可能にし、体験したことがないことをしてもらえる。VR端末はパネルやセンサーなど、スマートフォンと共通する部品が多く、スマホの普及が追い風になった」
--PSVRをめぐる今後の展開は
「これからはコンテンツの時代だ。クリエイターがいろいろなトライアルをして、生み出したコンテンツをPSVRで遊んでもらう。われわれはPSVRの普及を進め、多くのユーザーが単一のプラットフォームにいる市場を広げていく。コンテンツをつくる方は、このプラットフォームに最適化して開発できる」
--VRの端末はゴーグル型で重いのが難点だ
「開発者は皆、将来的に簡単な眼鏡みたいにすることを目指して、一生懸命取り組んでいる。眼鏡では視野を全部覆うのは難しいが、想像できることは実現できると思うので、何十年かたつとそういうものになっていると思う」
--据え置き型ゲーム機「PS4」の販売は、累計で6000万台を超えるなど好調だ
「PS4向けのゲームソフト開発にかかるコストは大きく、投資を回収できるかが(ソフトメーカーの)経営判断として重要だ。PS4の普及によって、世界市場を考えて大きな投資ができるようになった。これまでは主に携帯型ゲーム機で展開されていた『モンスターハンター』(カプコン)の新作がPS4で発売されることが象徴的だ」
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【プロフィル】吉田修平
よしだ・しゅうへい 京大経済卒、1986年ソニー入社。カリフォルニア大ロサンゼルス校でMBA(経営学修士)取得。93年、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント=SIE)業務部。エグゼクティブプロデューサーなどを経て、2008年5月から現職。京都府出身。