広がる「AIチャットボット」サービス 求人情報やごみ分別方法…入力した質問に回答 人件費削減などのメリット

 
横浜市のゴミ分別AIボットの画面

 人工知能(AI)を活用し、文字を使って自然に“会話”するプログラム「AIチャットボット」を使ったサービスが広がっている。無料通信アプリのLINE(ライン)などのメッセージアプリを使って、求人情報やネット通販の配達状況などが分かるサービスが始まった。人件費削減などのメリットがあり、導入はさらに広がりそうだ。

 リクルートジョブズはAIチャットボットを使い、アルバイトの求人情報サービスを提供している。LINEで「町田 ラーメン屋のバイト」などと住所や希望する職種を入力すると、条件にあった求人情報をパンダのキャラクターが答える仕組みだ。同様にアスクルも、LINEで個人向け通販「ロハコ」利用者の質問に答えるサービスを提供している。

 また、NTTドコモは横浜市と共同で、ごみの分別方法を案内するAIチャットボットを横浜市のホームページで3月から提供している。「ペットボトル」や「フライパン」などと入力すると、適切な処分方法を表示する。「夢」や「故郷」などごみ以外の言葉を入力した場合、偉人の名言を引用して答えるなどの遊び心で人気を集めている。

 チャットボットは、文章をやり取りする「チャット」と自動でプログラムを処理する「ロボット」を合わせた言葉で、AIを活用しているため人間同士のような自然な会話ができるものも増えている。

 ただ、AIによる回答は不完全なものも少なくない。サイバーエージェント子会社は今春から、人間が文章で回答する際にAIが補助するサービスを提供。ITベンチャーのリゲイン(東京都港区)も同様のサービスを今月下旬から始める。回答の質を担保するとともに人件費の増加を抑えられるという。(大坪玲央)