ホンダの自動運転車にさっそく試乗 追い越しや車線変更ばっちり 実用化近いと実感
ホンダが2025年ごろに完全自動運転の実用化を目指す計画を表明した。現在、どこまで開発が進んでいるのかを確認するため、栃木県の同社研究開発施設で、実際に自動運転機能搭載の車両に乗ってみた。
急カーブも安定
機能を搭載しているのは高級車「レジェンド」で、見た目は市販車と変わらない。早速、運転席に乗り込み、施設内に設けられた高速道路を模したコースを目指した。まず自分で合流地点前まで運転し、そこで、助手席のホンダの説明員の指示に従いハンドルに付いている自動運転ボタンを押してみる。「はい、手と足を離してください」と説明員。恐る恐るハンドルから手を、アクセルペダルから足を離してみると、そこでクルマ側に操作が移った。するとハンドルが自動で右に切られ高速本線になめらかに合流、自動運転体験が始まった。
低速レーンをしばらく行くと、前方にノロノロ運転の車両が見えてきた。クルマは自動でスピードを上げ、右ウインカーをカチカチ鳴らしながら、中速レーンに車線変更、スムーズに追い越していった。
その先に急なカーブがあったが、レーンをはみ出すことのない安定した運転ぶり。カーブを抜けると一気に加速、時速100キロぴったりで走り続ける。さすがに機械の制御だ。
よそ見すると警告
しばらくそのまま機械の運転を眺めていると、前方にハザードを出すクルマが出現。渋滞を模した試験であり、レーダーで渋滞を感知したクルマは少しずつ減速していき、30キロ程度のノロノロ運転に。速度が落ちると、ナビ画面がテレビに切り替わり運転せずに見ていられる。これは楽だ。
ただ、カメラが運転手の状態を常に検知しており、よそ見をしていると、シートベルトがキュッとしまり、前方を見ておくように警告された。自動運転時も運転手が前を見てないと突発事象に対応できないからだ。そろそろ高速道路の出口が近づき、低速レーンに車線変更。メーターなどに運転交代のメッセージが示され、体験は終わった。今回、乗ってみて分かったのは、現時点でも完成度は高く、実用化の日は限りなく近いという実感だった。(今井裕治)
関連記事