ホンダ「完全自動運転」実用化へ 平成37年ごろ 八郷社長が表明

 
ホンダが実施している自動運転試験の様子=5日、栃木県芳賀町

 ホンダは8日、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作が一切いらない完全自動運転を平成37年ごろに実用化する計画を発表した。ホンダが完全自動運転の実用化のめどを明確にしたのは初めて。同社はまた、自動ブレーキや衝突回避機能など事故を防いだり被害を軽減したりする予防安全技術を、今秋に全面改良する軽自動車「N-BOX」以降、国内では全車に標準装備することも発表した。

 八郷隆弘社長が8日までに表明した。八郷氏は完全自動運転車について「ハンドルと(アクセル、ブレーキの)ペダルが付いた車両とし、運転席に運転手が座り運転したいときに制御できる形にする」と述べた。

 ホンダは昨年12月、米IT大手グーグルと完全自動運転技術の実現を目指した共同研究の検討を始めたと発表。今年4月には、自動運転のカギとなる人工知能(AI)などの先端技術の開発を担う組織を新設したほか、京都大などとの産学連携も加速している。

 ホンダは、まず32年ごろに高速道路での車線変更も可能な自動運転の技術を確立し、その後、完全自動運転技術の実用化を目指す。

 自動運転をめぐっては、日産自動車が昨年8月、国内メーカーでは初めて高速道路の同一車線で自動走行できるミニバン「セレナ」を発売。日産では高速道路より難易度が高い一般道での導入を目指すほか、トヨタ自動車も32年に高速道路で車線変更が可能な技術の導入を計画している。

 一方、ホンダは、自動運転技術の確立と並行して、今後、売り出す新型車の安全性も高める。現在は、ミニバン「フリード」や「ステップワゴン」など8車種に付けているセンサーやカメラを使った予防安全技術を、国内では軽を含めた全車に標準装備し、海外でも順次、搭載車種を増やす。