パナやシャープ、ユニーク家電相次ぎ開発 体幹トレ機器やペン型辞書

 
パナソニックが発売した体幹を鍛えるソファ型の機器「コアトレチェア」

 パナソニックやシャープなどがユニークな家電を相次いで開発している。体幹トレーニング用機器や文字をなぞって使うペン型辞書、単眼タイプのディスプレーを備えたウエアラブル端末など、創意工夫を凝らし商機拡大を狙っている。

 パナソニックは2月25日に体幹を鍛えるソファ型の機器「コアトレチェア」(市場想定価格は約32万4000円)を発売した。座面が揺れ、座る人が反射的にバランスをとる力を利用し、体幹の筋肉を鍛えることができる。

 2000年に乗馬をモデルにした同様の機器「ジョーバ」を発売し話題となったが、一過性のブームで終わった反省を踏まえ、着席部分は合皮製としリビングで椅子として使えるよう配慮。トレーニング以外に腰を伸ばすストレッチ機能なども搭載した。

 サッカーの長友佑都選手のトレーナーを務め、機器のメニューを監修した木場克己氏は「短時間で効率的に成果を上げられる」と太鼓判を押す。大阪市の家電量販店の店員は「やや高いが、高級感を求める人も多く、売れるのではないか」と評価する。パナソニックは月間1000台を販売目標にしている。

 蚊取り機能付き空気清浄機など特徴的な家電を販売するシャープは、昨年12月にペン型辞書「ナゾル」(市場想定価格は約1万4000円)を発売した。ペン先にスキャナー機能が付いており、紙の上の文字をなぞると、約2秒で側面ディスプレーに意味が表示される。

 国語辞典か英和辞典のいずれか1種類の辞典を内蔵。辞書を引く手間が省け国語モデルは高齢者に、英和モデルは英文契約書などを読みこなす仕事の関係者に人気だという。広報担当者は「孫や子供の入学祝いにも良いのでは」とアピールする。

 医療や土木用の眼鏡型ウエアラブル端末を手掛けるウエストユニティス(大阪市)は、一般消費者向けの単眼タイプのディスプレー端末「ピコリンカー」を開発し、7月発売(価格は未定)を予定している。約30グラムの重さで耳にかけて使う。スマートフォンにつなげば、前を向いたままポケットの中のスマホのディスプレーを確認することなどができる。担当者は「端末を付けた人が世界のあちこちで行き交う未来を、本気で想像しながら開発している」と話した。