回復支援のワンデーポートがシンポ 望ましい「依存症対策」を考える

 

 設立17周年を迎える認定NPO法人ワンデーポート(理事長・稲村厚氏/司法書士)は5日、神奈川県司法書士会館(横浜市中区)で「望ましい『ギャンブル依存症対策』を考える~シンポジウム&意見交換会~」(共催・依存の問題の支援に携わる人たちの勉強会)を開催した。

 同NPO法人は、ギャンブルに問題がある人の回復支援施設として2000年に日本で初めて設立。全国から利用者を受け入れており、また02年から現在まで、大衆娯楽として風営法の厳しい規制のもと射幸性を伴う遊びを提供する遊技業界も継続的に支援を行っているという。

 当日は、稲村理事長がシンポジウムの開催趣旨を説明。昨年末にIR推進法が成立し、カジノに限らず競馬などの既存公営ギャンブルやパチンコを含めた総合的な依存症対策に政府を挙げて取り組まれつつあるなか、「ギャンブリングの問題を既存のアルコール・薬物の依存症の延長線で考えて本当によいのだろうか」と問題提起。「望ましい対策を作っていくために必要なこと、課題をおのおのの立場から意見を出し合う場としたい」と述べた。

 シンポジウムでは、精神保健福祉士の高澤和彦氏が「家族支援・保健行政への提言」、稲村氏が「生活再建・福祉行政への提言」、ワンデーポートの中村努施設長が「本人支援・NPOの役割について」をテーマに、それぞれの立場での受け止め方や課題を掲出。続き、諏訪東京理科大学(脳科学・健康科学)の篠原菊紀教授が「エビデンスに基づく対策をつくるための調査の必要性」として私案を展開するとともに、参加者を交えて質疑応答などを行った。(ニュース提供・LOGOS×娯楽産業)