米S&Pが東芝を1段階格下げ 米原発事業損失で
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は24日、東芝の長期会社格付けを「シングルBマイナス」から「トリプルCプラス」に1段階引き下げた。昨年末に格下げしたばかりだが、米国の原子力発電事業の巨額損失で、「債務履行の長期継続が困難になる可能性が一段と強まった」と指摘した。
S&Pは、事業再建と財務内容の改善が「想定よりも時間がかかる可能性が高まった」とも言及した。
東芝は同日、米原発事業の損失額と再発防止策を2月14日に公表すると発表した。月内に損失額を確定できる見通しだったが、作業量が膨大で、予定よりも遅れたという。平成28年4~12月期決算も同時に発表する。
また、資本増強策の柱である半導体事業の分社化は今月27日に取締役会を開いて決議する見通し。分社した新会社の株式の一部を売却し数千億円規模の資金を調達する。新会社には、取引銀行などが設立したファンドが出資する案もある。東芝は他のグループ会社の株式売却も進める。
一方、東芝の労働組合は、29年春闘で電機メーカー各労組でつくる電機連合の「統一闘争」から離脱する見通しだ。賃上げより経営再建を優先させることで労使が一致したためで異例の2年連続の離脱になる。
関連記事