京王プラザ、ベール脱ぐ「プレミア」フロア 25億円かけ改装した富裕層向け
京王プラザホテル(東京都新宿区)は15日、総額25億円をかけて改装を進めてきた本館高層階のクラブフロア「プレミアグラン」の営業を始める。海外のラグジュアリーホテルを手掛ける英インテリア会社にデザインを依頼し、和洋融合を前面に出した。観光需要の高まる2020年東京五輪・パラリンピックに向け、国内外の富裕層の取り込みを狙う。
プレミアグランは、キングベッドとツインベッドの計111室で、海外の一流ホテルで使われているベッドやシーツを採用した。さらに床の一部を木目調にしたり、和紙を使った照明を配置したりするなど和洋を融合した。
席数153席、総面積535平方メートルの専用ラウンジは都内最大級の広さ。日本庭園をイメージし、15種類のテーブルと22種類の椅子が配置された。コンシェルジュが常駐し、訪日客向けの日本文化体験プログラムなどを提供する。客室ごとの料金は12万円(1室33.7平方メートル)から30万円(同71平方メートル)。
同ホテルの山本護社長は「ワンランク上のステージに立つ投資になったと確信している」と述べた。
同ホテルの特長は、宿泊客が100カ国・地域以上にのぼることだ。旺盛な訪日外国人客需要もあり、2015年度の平均客室稼働率は85.8%、外国人比率は76.3%と高水準だった。
しかし今年初めからの円高で旅行費用が膨らんだほか、宿泊料金の高騰で訪日客が都内ホテルを避ける傾向もある。稼働率を確保するため、割安なプランを設定するホテルも出てきた。
都内では、国内外のホテルの新規開業や改装が相次いでおり競争が激しくなっている。同ホテルは客室単価に見合う部屋の雰囲気やサービスを提供する方針だ。
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