歯ブラシ各社の新商品開発激化 マイナスイオン効果や高級ブランド
歯周病ケア
歯周病予防をうたった歯ブラシが相次いで発売されている。歯ブラシ市場をめぐっては、大手3社が約7割を占めているが、下位メーカーもマイナスイオン効果をうたった新商品の発売や1本5400円(税別)の高級ブランドを投入。各社とも、消費者の歯周病への関心の高まりを商機と捉えており、商品開発が激しくなりそうだ。
フクバデンタル(千葉県流山市)は11月28日、主力ブランド「PREMIUM イオン歯ブラシ KISS YOU」で、ヘッド幅を広げ毛量を従来商品の2倍にした「極細ワイドヘッド」(税別550円)を発売した。内蔵電池からマイナスイオンを発生させ、歯垢(しこう)を除去して歯周病を予防する。
同社によると、同ブランド購入者の半数以上が5年以上の継続使用者。また、同ブランドが昨年、中国のインターネットサイトで「日本に来たら買うべき物」として紹介されるなど、海外でも同ブランドが口コミで広がっているという。
同社の試算では、歯ブラシの国内出荷額は年間約390億円で、ライオン、サンスター、花王の3社が約7割を占める。同社のシェアは約4%だが、西川満社長は「今後5年で10%にして、ブランド認知率を高めたい」と意気込む。海外でも提携企業の連携強化や、歯科医のネットワークを活用した販売促進を強化し、15カ国・地域での販売実績をさらに増やす考えだ。
グレーアンドネイビー(東京都渋谷区)は今年1月、歯ブラシの新ブランド「BYTAPS(バイタップス)」をネット通販で立ち上げた。新潟県・燕三条地域のメーカーによる金属加工技術でアルミの塊を削り出して造ったハンドルや、マイナスイオン効果のあるブラシ毛など品質にこだわり、1本の価格は5400円と高額だが、東京都内や京都市内の実店舗で取り扱いが始まるなど、販路が広がっている。
これに対し、花王は10月、歯茎向けの歯ブラシ「ディープクリーン 指で使うハブラシ」(希望小売価格は未設定)を改良して発売。従来の指ハブラシに比べ突起の配列と形状を変更し、より歯茎をマッサージするような磨き心地を実感できる。ライオンも9月下旬に歯周ポケットを磨ける歯周病ケア歯ブラシ「システマ ハグキプラスハブラシ ワイドヘッド」(オープン価格)を投入している。
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