横浜八景島、台湾に水族館 台北で調印式 初の海外進出

 
桃園市での水族館事業の契約書を交わした横浜八景島の布留川信行社長(左)と、国泰人寿の親会社、国泰金控の李長庚総経理(社長)=28日、台北市

 横浜・八景島シーパラダイスなどの水族館を運営する横浜八景島(横浜市金沢区)は28日、台北郊外の桃園市に2020年1月の予定で「桃園水族館(仮称)」を開業すると発表、台北市内で台湾側提携企業と契約の調印式を行った。日本の水族館の海外進出は初めて。

 開業予定地は台湾高速鉄道(台湾新幹線)の桃園駅周辺の開発地区で、来年4月に着工。台湾の国泰人寿が約7400平方メートルの敷地に地上3階、地下2階の施設を建設し、横浜八景島が運営する。水族館としては中規模で、開業初年度は160万人の来場を見込む。

 横浜八景島は日本国内で水族館4カ所を運営する。日本には全国100カ所以上の水族館があるのに対して、台湾は人口密集地から離れた場所に4、5カ所しかなく、「市場は非常に大きい」とみている。横浜八景島の布留川信行社長は「台湾の自然の魅力を引き出す次世代の水族館にしたい」と話すとともに、台湾事業の経験を元に、世界各国への進出を目指す意向を示した。

 開発地区は桃園国際空港にも近い桃園駅周辺の約22ヘクタールで、アウトレットがすでに開業しているほか、ホテルや映画館の建設も予定。地区全体の投資総額は200億台湾元(約700億円)を超すという。台北 田中靖人)