遊技産業の視点 Weekly View

 □ぱちんこジャーナリスト、LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 ■遊技機の性能を「範囲内におさめる」問題

 ぱちんこ業界の問題点は多いが、問題点の大きな割合を占めるのは遊技機の性能だ。遊技機の性能の問題は、かなり細かい内容になるため、一般的には何がどう問題でどう改善したのかがとてもわかりにくくなることが多い。

 たとえば、この数年ほどの問題だけに絞ってみても、パチスロでは「ペナルティ」「遊技結果の誤認表示」「傾斜値」などがあって、ぱちんこでは「一般入賞口への入賞数」「最低ベース値」「総量」「ヘソ最低賞球数」などがある。それぞれ、性能的な問題とその対処法の意味はそれなりにあるのだが、いちいち解説するほどこのコラムに分量はない。

 こういったことと似たような印象を受けるのが豊洲市場への移転問題に関する報道だ。小池都知事はむしろ移転に関する情報の取り扱いなど、都庁側の組織的な問題を重視しているようだが、数多くある報道に接すると、盛り土や水などの細かい話の問題点を追及しているものが目立つ。毎日のように豊洲市場関連報道があるが、わが家ではテレビの情報番組でこの問題を取り上げると別のチャンネルにしている。細かい問題について、土木の専門家でもない者にとって、何をどう判断できるものでもないからだ。

 話を戻すとぱちんこ業界の細かい問題。私はそれらに焦点をあてて常に取り上げてきた。そこには遊技機の性能の問題こそが、ぱちんこ業界の抱える最大の問題であるという認識がある。しかし、細かい問題を明らかにするだけでは伝わらない、ということを最近、豊洲市場の問題に照らせば痛感している次第だ。

 なので結論から言おう。遊技機の性能の問題とは、「遊技」と風営法が定める範囲内に遊技機の性能がおさまっているのかどうか、というものである。ここに最大の問題があるという認識は、すなわち「おさまっていない」ということなのだ。

 今後も警察庁の指導や各業界団体の自主規制は続くだろうが「範囲内におさめる」ことが唯一の結論でなければならないだろう。

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【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月より本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。