配車アプリ使ってタクシー代を乗車前に確定 国交省、来年度に実証実験へ

 

 国土交通省は、スマートフォンのアプリを使って、タクシーの乗車前に運賃を確定し、迎えに来てもらうサービスの実証実験を2017年度に実施する方針だ。あらかじめ運賃を明示することで、初めて訪れる観光地や出張先などでも安心して乗車できるようにし、タクシーの利用客の増加を目指す。

 国交省とタクシー会社が協力して、一部の会社が導入済みのタクシーを予約できる配車アプリの改良版を開発。目的地などを入力すれば、運賃を自動的に計算して事前に確定し、タクシーが迎えに来る仕組みを想定している。実際に乗車した際のメーター料金と比べ、安い方を選べる方式も検討する。

 実証実験は東京などで実施する見通しで、具体的な場所や時期は今後詰める。利用増につながる効果が認められれば、他の地域でのサービス導入も進める。

 タクシーの運賃は走行距離と乗車時間に基づいて決まる。乗車時間は渋滞などに左右され予測が難しいことから、衛星利用測位システム(GPS)の技術や過去の渋滞データを活用するなどして精度を高める方法を検討する。

 タクシーは乗客を降ろした後、空車の状態で走行する距離が長く、実際に客が乗っている「実車率」は約4割にとどまっている。国交省やタクシー業界は新サービスの導入で実車率の向上に期待している。

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【用語解説】タクシーの配車アプリ

 スマートフォンを使ってタクシーを予約するサービス。スマホ画面の地図の上で乗車する場所を決め、近くを走っているタクシーを呼び出す方式などがある。事前にクレジットカード番号を登録すれば、自動で支払いができる仕組みを導入している会社もあり、大手タクシー会社や無料通信アプリのLINEなどが展開している。