シナネン 海外展開を強化 電力事業などに軸足

トップは語る

 □シナネン社長 田口政人さん

 --昨年10月、持ち株会社のシナネンホールディングス発足に合わせ、傘下のシナネンの社長に就任した

 「既存の石油関連に加えて、新分野である電力供給、エネルギーソリューションなどの事業を展開して、目まぐるしい1年だった。4月には海外事業を推し進めるため海外部を立ち上げた。これまでに培ったノウハウを活用し、主に東南アジアで各国地域の特性に合わせた事業を展開していく。海外事業は動き出したばかりだが、10年後には国内と海外の事業比率を半々にしたい」

 --環境に優しい総合エネルギー企業を目指している

 「従来の事業の軸である石油、石炭の供給から、自然エネルギーの供給に変えていきたい。供給総量を減らすだけではなく使用量を削減するため、消費電力を抑える方法を提案するエネルギーソリューション事業に力を入れる。自然エネルギーは太陽光、バイオマス、海外向けには風力など、各国地域に合った方法で実現させる」

 --事業の構成は

 「新体制に移行する昨年10月以前は、経常利益の75%が石油関連事業で、その他事業が25%だった。新体制の今年度は、石油関連が60%でその他を40%にするのを目標にしている。石油関連は右肩下がりだが今の収益を維持した上で、その他事業の比率を高めていくことで成長させる。成長の軸となるのが電力事業とエネルギーソリューション事業だ」

 --女性を積極的に活用している

 「活力ある組織にするために女性の登用を進め、活躍できる会社を目指す。全従業員の30%が女性なので、現時点でも比率は高い。特に電力事業とエネルギーソリューション事業で、法人向け電力販売に力を発揮しているのはほぼ100%女性だ。節電、省エネなど女性ならではのきめ細かい心遣いと視点で顧客から好評だ」

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【プロフィル】田口政人

 たぐち・まさと 関西学院大経卒。1985年品川燃料(現シナネンホールディングス)入社。営業本部営業推進部長、執行役員などを経て、2014年取締役。15年10月から現職。大阪府出身。