電子情報技術産業協会 IOT加速でシーテックも変革

トップは語る

 □電子情報技術産業協会代表理事・長尾尚人さん(61)

 --最新のデジタル家電や、ITの展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン 2016」が4日に開幕する

 「大量生産・販売の時代は20世紀で終わり、旧来の商品展示会のスタイルは行き着くところまで来た。頭の切り替えができず、同じことを繰り返していてはいけない。全てのモノがインターネットにつながる『IoT』が進む中、変化はさらに加速していく。今年は本格的な変革の年となる」

 --変革のポイントは

 「テレビなど最終製品の見本市ではなく、人工知能(AI)やロボティクスなどの最新動向を広く知ってもらう場とし、ICT(情報通信技術)が、安心して暮らせる社会にどう役立つかといったことをきちんと伝えたい。そのためには企業展示だけでは不十分だ」

 --具体的にどうするのか

 「主催者特別企画では、異業種の三菱UFJフィナンシャル・グループやセコムなどが参加し、金融や警備サービス、医療などの分野でのIoTの活用例を紹介する。米国、ドイツなどの在日大使館と連携し、各国のIoT関連の動向についても展示やカンファレンスを行う」

 --出展企業や来場者数は年々減少している

 「ベンチャー企業はイスラエル、インド、ASEAN(東南アジア諸国連合)など海外も含めて昨年の2倍の100社超が出展する。先端的な技術を支えている国内外のベンチャーと大企業のマッチングの場にしたい。来場者は昨年の13万人から15万人に増やすのが目標だ。ただ、CESやIFAといった海外の展示会と規模を争う時代ではない。シーテックから離れている企業には『IoTで生き残りたいのなら、ぜひ戻ってほしい』と言いたい」

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【プロフィル】長尾尚人

 ながお・ひさと 東大法学部卒。1980年、通商産業省(現経済産業省)入省。資源エネルギー庁電力・ガス事業部政策課長、中小企業庁経営支援部長、中部経産局長、日本政策投資銀行常務執行役員を経て、2014年7月から現職。兵庫県出身。