遊技産業の視点 Weekly View

 □ぱちんこジャーナリスト LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田

 ■保安課長補佐交代 気になる業界への影響

 実態がどうなのか本当のところはよくわからないが、一般的には20兆円クラスの市場規模があるとされるぱちんこ業界。これを所管するのは、警察庁生活安全局保安課である。これはあくまでも業界のインサイド側の視点で見た印象であるが、この業界所管、とにかくエライ人があまりかかわろうとはしない、と、少なくとも業界関係者は考えている。

 国会で質疑が出ようものなら生活安全局長が答弁するし、たまには業界団体に対して課長が行政講話の形で物言いをすることもあるのだが、原則的に「ぱちんこ業界担当の課長補佐が業界所管をする」というのが今までの流れだ。ここに決裁権の有無は無関係である。あくまでもぱちんこ業界から見た景色として、そのように映るという話だ。

 その課長補佐が今月、異動になった。9月2日付で大門雅弘保安課長補佐は警視庁機動隊特科車両隊長に、後任には津村優介氏が赴任した。

 ぱちんこ業界側は課長補佐が所管を左右すると考えているから、この人事は影響が大きいと考える。大門氏がどのような所管をしたとしても、後任がより厳しいのか緩いのか、そういうことがとても気になるようである。

 しかし、原則的なことを言うと、警察の業界所管は行政としての仕事だ。ぱちんこ業界は風営法という法律体系の中でさまざまな規制があって、それらについて警察がどのように解釈運用するか、ということになっている。仮に人が変わったからといって解釈運用が変わるとするならば、その解釈運用の是非は問われなければならない。杓子(しゃくし)定規といえばそのとおりだが、本質的な規制は法体系にあるのであって、所管の運用について人が変わって内容まで変わるというのでは、法治の観点からもオカシイということになる。

 津村課長補佐がどのような物言いをするかは、赴任して間もないこともあってまだ不明なのだが、引き続き、行政として解釈運用の適切な連続性・継続性を持つような所管、あるいは発言を期待したい。

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【プロフィル】POKKA吉田

 ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月より本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。