2020年目指し、日本酒のコンテンツ力高める

Sakeから観光立国
SAKE2020プロジェクトのセミナーに参加したパネリストら=東京・高輪の道往寺

 □平出淑恵(酒サムライコーディネーター)

 「日本酒は、おいしい。」を合言葉にこの春から活動を開始した「SAKE2020プロジェクト」は、日本酒に関わる有志が集まり、地域や職域の壁を越えて日本酒の振興に取り組む非営利に近い活動体だ。「来たる2020年に海外からのお客さまをおもてなしできる日本酒環境を整えること」を目標に掲げ、日本酒ビジネス関係者向けセミナーや消費者向けイベントなどを主催している。

 運営メンバーには、日本酒振興で活躍している面々が名を連ねる。日本酒輸出協会の松崎晴雄会長と日本酒の伝道師として名高いジョン・ゴントナー氏の2人が共同代表を務め、実行委員には、日本名門酒会の飯田永介本部長、酒食ジャーナリストの山本洋子氏らがメンバーとなっている。

 同プロジェクトが7月30日、東京・高輪の道往寺で「世界へ発信! SAKEで広がるニッポンの観光~酒蔵ツーリズム」と題したセミナーを開いた。筆者が基調講演で「酒蔵ツーリズム、現状と今後の展望」について語り、その後「ニッポンの観光とSAKEその派生効果を考える」をテーマにパネルディスカッションが行われた。

 フリーアナウンサーで「酒サムライ」のあおい有紀氏、石川酒造(東京都福生市)の社長秘書、畠山快子氏、酒蔵ツーリズム企画会社、アンカーマンを経営する和田直人代表取締役、Inside Japan Tours(インサイド・ジャパン・ツアーズ)コンテンツマネジャー兼ガイドのタイラー・パルマ氏から、ファシリテーターの山本氏がグイグイと話を引き出して盛り上がった。

 そこから懇親会に突入。参加者には全国から会場へ足を運んだ蔵元の姿も見られ、盛んな意見交換が行われた。

 このイベントの企画運営を担当した実行委員で、東京酒店(東京都目黒区)の柴田亜希子代表取締役は、大盛況だったイベントを終え「日本酒のもつコンテンツ力はまだまだ未開拓、これからどんどん面白くしていける」と笑顔で語っていた。

                   ◇

【プロフィル】平出淑恵

 ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)の日本代表。日本ソムリエ協会理事、観光庁酒蔵ツーリズム推進協議会メンバー、ミス日本酒顧問などを務める。