カシオ、スマホと連携し時刻修正 女性用腕時計「シーン」に搭載

 
カシオ計算機の女性向け腕時計「シーン」(カシオ計算機提供)

 カシオ計算機が、女性用アナログ腕時計ブランド「シーン」で、スマートフォンと連携して時刻を修正する機能を搭載した機種を9月中旬に発売することが24日、分かった。時計のボタンをワンプッシュするだけで海外渡航時に時刻修正したり、サマータイムに切り替えたりできるようになる。現在は男性向けブランド「エディフィス」だけに導入している機能だが、女性向け製品にも対応させる。

 主力の時計事業が円高や訪日観光客の消費額減少といった逆風を受ける中、スマホとの連携を強化し、日本からの出張者や海外の消費者をターゲットに需要開拓を図る。

 独自開発したスマホ専用アプリ(応用ソフト)が正確な時刻を生成し、スマホと連携した時計が1日4回、時刻を自動修正する仕組み。世界約300都市の正しい時刻が分かる。

 海外渡航先で到着後すぐに正しい時刻を知りたい場合は、ワンプッシュするだけで時刻を修正できる。室内などでスマホを見失った際は、時計のボタン操作でスマホの音を鳴らし、探すことも可能だ。

 同様の機能は「Gショック」「オシアナス」など計6ブランドに順次導入し、対応機種の販売台数を2018年度には15年度比10倍の200万台規模に増やす計画だ。

 時計事業の16年3月期の売上高は1760億円で、カシオの売上高の約半分を占める。海外売上比率は75%に達しており、自動で時刻修正される時計の需要は、同じ国でも時差があったり、サマータイムを導入していたりする欧米を中心に高まっている。

 「シーン」は1999年に誕生したブランド。電波受信や衛星利用測位システム(GPS)などの機能を搭載しているほか、エレガントなデザインが特徴。20~30代の女性を中心に人気があるが、カシオの腕時計ブランドでは堅牢(けんろう)性などに優れた「Gショック」が圧倒的な存在感を誇る。

 スマホと連携した時刻修正機能を先行搭載することで、ブランド力の底上げを図る狙いもある。