ルネサス、最終利益は66.6%減 円高進行や熊本地震が影響

 

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスが10日発表した2016年4~6月期連結決算は、円高進行や熊本地震による一部生産ラインの稼働が停止した影響で減収減益だった。最終利益は、震災で68億円の特別損失を計上したことなどから、前年同期比66.6%減の99億円だった。売上高は期初の想定を上回ったものの、震災による生産減などで15.2%減の1519億円。営業利益は42.7%減の185億円だった。

 ルネサスは6月開催の定時株主総会で決算期を3月末から12月末に変更した。このため、今期は4~12月期の9カ月の連結決算になる。

 通期の業績予想は発表していないが、10日に4~9月期連結見通しを公表した。それによると、最終利益は円高進行を踏まえ、80.0%減の115億円とした。4~6月期の想定為替レートは1ドル=111円だったが、7~9月期は103円に変更した。売上高は16.6%減の3010億円、営業利益は58.8%減の260億円とした。

 また、ルネサスは同日、売却・閉鎖を検討していた熊本の錦工場(熊本県錦町)について当面は事業を継続すると発表した。自動車向けの高品質な半導体の需要が増加しているのに加え、後工程全体の再編を考えており、それを踏まえ、錦工場の在り方について再検討する。