スタバ、日本のカフェ文化牽引 進出20年 コーヒー消費広がる

 
開店20周年でにぎわう東京・銀座のスターバックス日本1号店=2日午前、東京都中央区

 米系コーヒーチェーン「スターバックス」が1996年8月に日本に進出して20年が過ぎた。店内全面禁煙やオープンテラスの併設が流行の先端と評価されて女性客を増やし、日本のカフェ文化を牽引(けんいん)してきた。カップを手持ちでテークアウトして飲むスタイルは、コンビニのコーヒー販売などにも広がっている。

 2日午前7時すぎ、東京・銀座にある日本1号店では、スターバックスコーヒージャパン(東京)の水口貴文最高経営責任者が来店客と言葉を交わしたり握手をしたりして出迎えた。神奈川県平塚市から来た女性は「日本上陸前からのファン。おいしいコーヒーが魅力」と話した。

 この20年で全ての都道府県を網羅し、店舗数は2016年3月末時点で1178店。書店と組んだ店舗やドライブスルーの店など、新しい形態も導入してきた。

 全日本コーヒー協会の調べでは、スターバックスが日本に上陸した96年の国内消費量は、コーヒー豆ベースで約35万2000トンだったのに対し、15年は約46万2000トンと3割超増えた。16年も増加傾向は続いている。コーヒー消費の広がりとともに、近年では、コンビニチェーン各社が店頭で提供する「いれたてコーヒー」が、本格的な味わいを低価格で楽しめると人気だ。

 一方、地域ならではの喫茶店スタイルも注目が集まる。コメダホールディングスは、コーヒーに「サービス」でトーストなどが付くモーニングが売りの「珈琲所コメダ珈琲店」を愛知県中心に展開してきたが、ここ10年で東京など他の地域でも店舗を増やしている。