カプコン 「バイオハザード」VR対応でノウハウ蓄積

トップは語る

 □カプコン社長・辻本春弘さん(51)

 --来年1月に発売する人気シリーズ最新作「バイオハザード7」を、VR(仮想現実)に対応させる

 「VR対応のゲームを当社のラインアップで考え、臨場感などからこれを選んだ。試作して検証したところ、『いける』と判断し、フル対応させるべく開発している。ただ、『3D酔い』などで、長時間VRで遊べるかは個人差もある。最初は普通に遊んでいただいて、2回目はVRでチャレンジするとかいろいろな楽しみ方がある。この開発を通じ、ノウハウを蓄積したい」

 --ゲームにおけるVRの可能性は

 「スポーツ観戦やコンサート、映画でもVRは提案されているが、ゲーム会社が最も有望だ。重要なことはインタラクティブ(相互作用)だからだ。また、海底や宇宙、月など、行けないところを体験できるというVR本来の可能性についても、ゲームに関するノウハウが有効に働くだろう」

 --ゲームの開発に向けた体制強化は

 「開発人員は成長の源泉だ。育成のポイントは、高品質なゲームをつくり続けること。技術活用や新しい挑戦、ノウハウが凝縮されており、培ったものを人に伝授する機会にもなる。100人規模の新卒採用を続けるとともに、グローバル採用も積極化していく」

 --ゲーム人口を増やす施策は

 「ゲームの難易度が高くて次に進まないことがある。同じこと繰り返すのは苦痛だし、ゲームの価値は最後までやってもらわないと伝わらない。だから、ある一定の状況下で3回くらいトライしてダメならギブアップして次に進める、という『サポート機能』のようなことも必要だと思っている。実現には利用者がどこでストップしているかなどの情報が必要で、ゲーム機を提供する会社と協議していきたい」

                   ◇

【プロフィル】辻本春弘

 つじもと・はるひろ 大阪商大商経卒、1987年カプコン入社。取締役、専務、副社長執行役員などを経て、2007年7月から社長COO(最高執行責任者)。大阪府出身。