日本電産「買わなあかん、と思っていた」 米エマソン3事業を1230億円買収
日本電産は2日、米国の電機大手エマソン・エレクトリックからモーター、ドライブ事業と発電機事業を総額12億ドル(約1230億円)で買収することで合意したと発表した。2日(米国時間)に売買契約を締結した。同社は産業用モーターやドライブ、発電機分野でM&A(企業の合併・買収)を軸に事業拡大を図ってきたが、今回の買収で同分野の競争力をさらに強化。2020年度連結売上高2兆円(16年3月期は1兆1782億円)の新中期戦略目標達成に弾みをつけたい考えだ。
日本電産の永守重信会長兼社長は2日、都内で会見し、「(今回の買収で)世界のマーケット、各製品のパズルが埋まり、規模の拡大を図っていく。当社にとって過去最大の買収額だが、高収益化を図り、世界で戦える」と意義を強調した。
買収のタイミングについては「こういう時期に、こういう会社を買わなあかん、と思っていた。がまんのしどころだったが、幸い買収できた」と述べた。永守会長は、現在の為替水準などを踏まえ、適正価格での買収時期を待っていたという。
買収するのはエマソンの産業用モーター、ドライブ、発電機の3事業で欧州や北米地域では競争力が高く幅広い顧客基盤を持つ。しかし、最近は世界的な経済環境の悪化や原油価格の下落などにより業績が低迷。15年9月期の売上高は16億7400万ドル(前期比16%減)にとどまった。
日本電産は産業用モーターで米国や欧州市場に対応した製品など製品ラインアップが拡充できるほか、FA・機械制御分野に強いドライブ事業を取得することでポンプ市場やエレベーター用に本格進出できる。
永守会長は「世界シェアナンバーワンになるためにあと3社ほど買収する」と意気込んだ。
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