高田会長兼社長が辞意表明 タカタ株主総会、再建計画の策定も

 
タカタの株主総会の会場に入る株主ら=28日午前、東京都港区

 タカタは28日、東京都内で株主総会を開き、欠陥エアバッグのリコール(回収・無償修理)問題などを説明した。高田重久会長兼社長は経営再建の道筋を付けて辞任する意向を表明。弁護士らの外部専門委員会が再建計画をまとめることも報告した。タカタ製エアバッグのリコールは対象が1億個規模に上り、費用は1兆円に達するとみられる。費用を肩代わりする自動車メーカーとの協議で負担割合を決めるが、タカタは経営危機に陥る恐れがある。

 タカタは株主に対し、「リコール問題の収束や事業再建の道筋を付けることが責任を取る方法だ」と強調した。だが、再建の見通しは、「外部専門委に委託しているので回答を差し控える」と明言を避けた。リコール費用も、「協議中で合理的に見積もるのは難しい」としている。

 株主からは経営陣に厳しい批判の声が上がり、議論が紛糾する場面もあったという。都内の男性株主は「経営陣の責任は重い」と話した。

 株主総会は午前10時から2時間20分開かれ、出席株主数は昨年の約200人を下回る147人。高田会長ら取締役6人の選任など2議案を可決したが、メーカーとの協議や支援企業を募る暫定的な体制になる見込み。

 支援企業には投資ファンドなど国内外27社が関心を示しており、外部専門委は11月をめどに再建計画を策定する方針だ。