MSのナデラCEOが技術者会議で基調講演 AI対話型ソフトに注力姿勢

 
日本マイクロソフト社のイベント「de:code 2016」で講演するマイクロソフト社のサティア・ナデラCEO=24日午前、東京都港区(荻窪佳撮影)

 米マイクロソフト(MS)は24日、東京都内でIT技術者向け会議イベント「de:code2016」を開催した。基調講演したサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は人工知能(AI)を使った対話型ソフトウエアの開発と普及に注力する意向を示した。

 日本で展開している対話型AI「りんな」や、あらゆるモノをインターネットで結ぶ「IoT」を導入する日本企業の事例などを紹介。「デジタル技術を世界に広げるのがわれわれの使命だ」と宣言した。

 ナデラCEOは、同社が「プラットホームとしての会話」と呼ぶ戦略の概要を説明。音声認識ができるAIと対話することで商品の注文などができ、端末画面に手で文字を入力する手間を省ける技術で、「非常に期待できる」と述べた。

 音声認識技術を活用したサービスの事例としては、2020年東京五輪を視野に訪日観光客がレストランのテーブルからスマートフォンを通じて多言語でメニューを注文できるシステムを開発したベンチャー企業の取り組みも紹介。

 また、他のクルマや交通インフラと通信ができる「コネクテッドカー」を共同開発するトヨタ自動車、機器の3D仮想映像が見られるヘッドマウントディスプレーを航空機の運行乗務員の訓練に導入する日本航空の取り組みにも触れ、「あらゆる業種がデジタルカンパニーに変わる」と語った。