コスモエネルギーHD 単独で生き残りへ競争力強化
トップは語る□コスモエネルギーホールディングス社長・森川桂造さん(68)
--JXエネルギーは東燃ゼネラル石油と、出光興産は昭和シェル石油との経営統合を決めた
「日本の石油市場の縮小を受けて、石油元売り業界の再編は想定していた。統合2社はコスト競争力を高めるが、それを上回って効率化しなければ生き残れない。コスモとしてはブランドを維持し、昨年10月に持ち株会社化した。事業会社に権限と責任を委譲し、スピードを上げて合理化と効率化を進める。(コスモの国内ガソリン市場で)シェア12%でも、十分に単独で生き残っていけると考える」
--どう合理化を進めるのか
「千葉製油所は東燃ゼネラルと共同事業化した。四日市製油所も昭和シェルと提携するなど、精製部門の合理化を進めてきた。他社とのアライアンス(提携)をさらに進める。丸善石油化学を連結子会社化したが、石油化学部門との一体運営も強化する。石油開発、精製、販売という3つの中核事業に加え、石油化学が4番目のコア事業となる」
--東日本大震災で悪化した財務体質の改善が喫緊の課題だ
「原油安で財務体質が傷むことは想定していなかった。だが、2016年度は原油価格が緩やかに上昇し、在庫評価損による財務の悪化は止まるだろう。ただ、収益力を高めなければ縮小均衡に陥る。選択と集中で成長分野に投資し、収益力と財務体質の改善につなげたい」
--今後の成長分野は
「石油開発は成長分野だ。アブダビ首長国で4つ目の油田開発を進めており、競争力もある。17年上期の生産開始を予定している。また、アブダビでは新たな権益の獲得も検討している。カーリースや風力発電も成長分野で強化していく考えだ」
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【プロフィル】森川桂造
もりかわ・けいぞう 東京外国語大外国語学部。1971年大協石油(現コスモエネルギーホールディングス)。コスモ石油の専務、副社長などを経て2012年6月に同社社長。コスモエネルギーホールディングスの発足に伴い15年10月に社長就任。和歌山県出身。
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