ジェトロ主催 「SAKEシンポジウム in 神戸」
Sakeから観光立国□平出淑恵(酒サムライコーディネーター)
ロンドンで毎年開催されている世界最大規模のワイン審査会、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)。SAKE部門の創設10周年を記念した同部門審査会が兵庫県で開催されたのに併せて、日本貿易振興機構(ジェトロ)が日本酒の輸出促進イベント「SAKEシンポジウム in 神戸」を、15日に神戸ポートピアホテル(神戸市中央区)で開いた。
基調講演では、SAKE部門の共同チェアマンで、ワイン業界最高峰の資格「マスター・オブ・ワイン(MW)」を持つ、サム・ハロップ氏と大橋健一氏が招かれ、市場の可能性や海外展開手法について豊富な経験を基に持論を展開した。
さらに特別講演では、「日本酒の強化」を掲げる日本ソムリエ協会の田崎真也会長が、日本のソムリエに求められる日本酒のサービスについて語り、JRホテルズの佐藤伸二総括総料理長とともに日本酒に合う料理や食材のレシピを披露した。
続くパネルディスカッションでは、内閣府のクールジャパン戦略担当、浜野京・政策参与が進行役を務め、大橋氏をはじめ、世界的なワイン教育機関WSETにSAKEコースを新設したアントニー・モス新規事業責任者(MW)、IWC2013で最高賞の「チャンピオン・サケ」を獲得した喜多屋(福岡県八女市)の木下宏太郎社長、宇都宮仁国税庁鑑定企画官、下村聡ジェトロ理事、そしてIWCアンバサダー(日本代表)の筆者がパネリストとして参加。日本酒のブランド力や、海外での認知度向上について、意見を交わした。業界関係者をはじめ、150人の定員を超える申し込みがあり、関係者のこのセミナーに対する期待の大きさを感じた。
IWCのSAKE部門審査会の兵庫県開催の機会を活用して、日本酒の国際化に関してさまざまな分野で発信力の強い面々を集め、中身の濃いシンポジウムを実行したジェトロの手腕を高く評価したい。
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【プロフィル】平出淑恵
ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワインコンペティション、インターナショナル・ワイン・チャレンジの日本代表。観光庁酒蔵ツーリズム推進協議会メンバー、一般社団法人ミス日本酒顧問などを務める。
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