豚の膵島移植で糖尿病改善 大塚製薬工場、海外で臨床研究
大塚製薬工場(徳島県)のチームは、糖尿病患者に豚の膵島を移植し血糖値が下がるなどの有効性が示されたとの臨床研究の結果を、大阪市内で開かれている日本再生医療学会で発表した。
研究はアルゼンチンなど海外で実施された。日本異種移植研究会の会長を務める宮川周士大阪大准教授は「日本でも複数のチームが来年以降の臨床研究を目指している」と話している。
治療対象は、血糖値を下げるホルモン「インスリン」を作る膵島の細胞が失われる1型糖尿病の患者。脳死で提供された膵島を移植する治療法があるが、提供者は少なく、インスリン注射が一般的だ。
同社は、清潔な環境で育てた病原体のない医療用の赤ちゃん豚から採取した膵島をカプセルに入れ、ニュージーランドやアルゼンチンで計24人の患者の腹部に投与量などを変えて移植、症状の改善がみられた。
特に体重1キロ当たり細胞1万個を2回移植した4人のグループでは、2年以上にわたり血糖値が改善するなど効果が高かった。免疫抑制剤は使用せず重い副作用はなかったという。
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