革新機構、傘下2社統合も 有機EL強化、韓国勢に対抗

 

 官民ファンドの産業革新機構が、傘下の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)と次世代パネル「有機EL」を手掛けるJOLED(ジェイオーレッド)の2社を統合させる検討に入ったことが26日、分かった。需要拡大を見込む有機EL事業を強化し先行する韓国勢に対抗する。

 革新機構はJDIにシャープの液晶事業を統合させる計画だったが、シャープが鴻海精密工業の傘下で再建を目指すことを決めたため方針転換。2016年度中の統合を目指すとみられる。

 有機ELパネルは、映像を表示するためのバックライトが不要で、液晶と比べて薄型化が可能。米アップルがスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」に採用するとの観測があり、JDIは受注を狙い18年に量産を始める計画だ。ただ、中小型有機ELは、韓国サムスン電子とLGディスプレーが世界シェアの大半を占める。シャープも本格参入する方針で、競争環境は厳しくなりそうだ。

 JOLEDはソニーとパナソニックの有機EL事業を統合して15年に発足。革新機構が75%、JDIが15%を出資している。