シャープ鴻海傘下 「本気度」評価、銀行の理解も得やすいと判断
シャープが台湾の鴻海精密工業に支援を求めることを決めたのは、再建のためにつぎ込まれる資金が巨大なことに加え、1千億円もの保証金の前払いを内諾した「本気度」を評価した。追加の金融支援が必要ないため主力取引銀行の理解も得やすいと判断している。
鴻海はかつてシャープへの出資で合意しながら、取りやめたことがある。シャープ社内には鴻海の郭台銘会長を信用できないという声が根強い。保証金は、鴻海が契約を撤回した場合に違約金としてシャープに支払われるため、鴻海の「裏切り」への抑止力を持つ。
産業革新機構の提案は、主力取引銀行による追加金融支援も盛り込まれているが、肝心の銀行側は鴻海案を支持し、機構からの要請には難色。3月末に融資の返済期限が迫る中、機構案を選ぶと詳細な再建策づくりが難航する恐れがあることも決断を後押ししたもようだ。ただ、中高年のリストラを示唆しながら経営陣をそのまま残すという鴻海の提案には批判がある。
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