--目指す会社の姿は
「富裕層ビジネスをより強化し、ダントツのブランドを確立していきたい。投資信託やファンドラップなどの『ストック資産』を増やすことが大事だ。昨年度からの3年間で約2兆円の純増を目指す。昨年度は6800億円の純増を実現し、目標達成に向けて手応えを感じている」
--同一グループの銀行と証券会社の業務を隔てる規制の緩和・撤廃に向けた考えは
「(預金者と投資家の)利益相反や(銀行による)優越的地位の乱用の防止、顧客の情報管理により一層配慮していく。4月に新組織を作り、同意を得たグループ各社の顧客情報を一元管理し、良質なサービスを提案する仕組みを作った」
--未上場企業の株を買い取り、企業価値を高めてから上場・売却することで利益を得るプライベートエクイティ(PE)ファンドの小口販売が好評だ
「PEファンドは投資に必要な金額が大きいものの、流動性は低い。三菱UFJ信託銀行と協力して1億円に小口化するスキームを開発した。中長期で投資できる商品として受け入れられている」
--「人への投資」の取り組みは
「賞与引き上げで今年度の社員の平均年収は前年度比で5%強増える。専門職は投資銀行部門に限っていたが対象を広げる。1年契約とし、成果次第で年収1億円も見込める制度を始めた。チャレンジしたい人は手を挙げてほしい」(米沢文、写真も)
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こばやし・まこと 早大商卒。米ニューヨーク大経営大学院修了。昭和60年三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。三菱UFJモルガン・スタンレー証券取締役副社長などを経て令和4年4月から現職。神奈川県出身。