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電力逼迫 企業が節電対応、一部生産停止も

電力需給逼迫(ひっ迫)注意報を受け、テレビの電源を落として営業する家電量販店=27日午後、東京都品川区のヤマダデンキLABI LIFE SELECT品川大井町店(松井英幸撮影)
電力需給逼迫(ひっ迫)注意報を受け、テレビの電源を落として営業する家電量販店=27日午後、東京都品川区のヤマダデンキLABI LIFE SELECT品川大井町店(松井英幸撮影)

関東中心に猛暑が続き、電力需給が逼迫(ひっぱく)する中、企業が節電対応に本腰を入れている。店舗やオフィスでエアコンの温度を高めに設定したり、照明を消したりするといった取り組みやすい施策から、保有する自家発電設備のフル稼働まで、あらゆる工夫で電力不足解消に努めている。7月からは、政府による7年ぶりの全国への節電要請期間にも入ることから、各社は今後も有効な施策があるか検討していく構えだ。

企業の節電対応で最も多いのは、店舗やオフィスの省エネだ。セブン―イレブン・ジャパンは27日以降、首都圏を中心とする1都8県の約8800店舗で電力不足が深刻化する午後3~午後6時の対応を強化。揚げ物を調理するフライヤーの仕込みや冷蔵庫への飲料の補充をやめたほか、トイレの便座ウォーマーの電源をオフにしている。

オフィスビルや商業施設を運営する三井不動産は、共用部の照明を2~3割暗くしたり、エレベーターやエスカレーターの運転を一部停止したりしている。大和ハウス工業は工場を除く事業所の空調について、温度設定の見直しを指示。NTTドコモは、東京都渋谷区に保有する超高層ビルのライトアップを休止した。

電力使用量が多いメーカーも、不足解消に向け努力している。東京製鉄は東京電力の要請があれば、宇都宮工場(宇都宮市)における午後3時~午後6時の鉄鋼製品生産を停止する。

発電設備を保有する企業は、電力会社などへの電力供給を増やしている。日本製鉄は、茨城県と千葉県の2製鉄所で東電と共同運営する火力発電所の出力を引き上げ、東電への電力融通を増やした。森ビルは、東京都港区の複合施設「六本木ヒルズ」に設置した自家発電設備の余剰電力を卸電力市場に供給。節電効果で供給量は増え、一般家庭約1800世帯分の1日当たり6500キロワットに上るという。

このほか日本航空は、羽田空港への到着便が午後の一部時間帯に駐機場で作業する際に使う電源を、通常の地上電源ではなく、機体に搭載した補助動力装置に変更した。自動車部品大手のヨロズは「消費電力の削減に貢献したい」として、7月から9月末まで国内の全拠点で最低でも月2日の休業日を設ける。

各社は夏本番を迎える今後も電力不足が続く可能性があるとみている。6月から大阪市北区の本社などで昼の休憩中に室内照明を消しているサントリーホールディングス(HD)は、期限を設けず続けるという。


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