夏の日中、一般家庭内で消費電力の最多を占めるとされるエアコン。ダイキン工業の調査で、工夫したい節電対策のうち、エアコンスイッチの頻繁なオン・オフの回避に関心を示す人は4割に満たず、定期的なフィルターの清掃についても3割程度にとどまることが分かった。同社ではこの結果を踏まえて、節電効果の大きい4つの対策を紹介している。
調査は6月2日から5日にかけてスマートフォンを通じて実施し、全国の男女526人から回答を得た。
昨年以上の省エネ・節電に取り組みたいと思うかを聞いたところ、90・7%が肯定したものの、具体的な取り組みのアイデアを持つと回答したのは32・9%だった。
また、夏場の日中に最も消費電力が大きいと感じる家電製品について、74・7%が「エアコン」を選択した。2013年の資源エネルギー庁の調べでは、夏場の日中(午後2時頃)はエアコンが一般家庭における消費電力の58%を占めていた。
工夫したいエアコンの節電対策(複数回答)については、「控えめな温度設定」が66・3%で最多。「スイッチの頻繁なオン・オフの回避」が36・9%、「自動運転(省エネ運転)」が34・6%、「定期的なフィルターの清掃」が32・7%と続いた。
同社担当者は「多くの人が節電に関心を持ちながらも、具体的なアイデアを持っている人は半数に満たない。節電術を知り、身近なところから取り組んでほしい」と話す。
30分程度の外出は「つけっぱなし」が正解
同社は効果的なエアコンの使い方も指南。エアコンの電源のオン・オフ、風量、フィルター、室外機の4つをポイントとして紹介している。
電源については、スイッチをこまめにオン・オフすることが消費電力を増加させるとし、30分程度の外出であれば「つけっぱなし」のほうが消費電力を抑えられるという。また、換気も電源を切らずにしたほうが効率的になるとしている。
風量については「自動」を推奨。節電イメージの強い微風や弱風を最初から選択すると、設定温度に達するまでに時間がかかり、余分に電力を消費してしまう。
フィルターは、ホコリの付着で室内機を通過する空気の量が減り、設定温度まで時間がかかるため、2週間に1回の清掃を推奨する。1年間清掃を怠ると、約25%も消費電力が増える場合がある。
室外機は吸い込み口や吹き出し口がふさがないよう、周囲に物を置かないことをポイントに挙げる。また、室外機周辺が高温になると、エアコンの運転効率が下がることがあり、「よしず」など、風通しがよく日陰が作れるものを活用すると効果的だとしている。