関西電力は27日、定期検査で停止中の大飯原発4号機(福井県おおい町)の配管に不具合が見つかり、運転再開を7月上旬から下旬に遅らせると発表した。これにより、沖縄県を除く西日本での電力の供給余力を示す供給予備率は、安定供給に最低限必要な3%まで落ち込む見込みとなった。
関電によると、点検中の作業員が6月24日、原子炉を起動する際に使うポンプの配管から冷却水が漏れているのを発見。配管の一部に直径1ミリ以下の穴があり、配管を交換することになった。漏水に放射性物質は含まれていない。
運転再開が7月下旬にずれ込むことで、過去10年で最も暑い気象条件となった場合、西日本の7月の予備率は3・8%から3%まで低下する。8、9月の予備率に影響はない。
福井県内の原発では、大飯3号機のみが稼働中。運転開始40年超の美浜原発3号機(美浜町)は、8月12日の運転再開を予定している。
一方、経済産業省は27日、東京電力管内で電力需給の逼迫(ひっぱく)が引き続き見込まれるとして、供給予備率が5%を下回った場合に発令される「電力需給逼迫注意報」を28日も継続すると発表した。東電は、午後3~6時にかけて、冷房を活用するなど熱中症に注意しつつ「節電をお願いしたい」としている。
経産省によると、需給バランスは28日午後4時半からの30分間が最も厳しい見通しで、想定される予備率は3・9%という。