トヨタ株主総会、急激な円安や半導体不足に懸念の声も

    トヨタ自動車本社で開催された株主総会=15日、愛知県豊田市(黄金崎元撮影)
    トヨタ自動車本社で開催された株主総会=15日、愛知県豊田市(黄金崎元撮影)

    トヨタ自動車は15日、愛知県豊田市の本社で、定時株主総会を開催した。取締役9人の選任など5議案を提案し、いずれも賛成多数で可決された。総会では株主から、急激な円安進行や半導体不足による生産停止の影響などを懸念する質問が出た。

    議長を務めた豊田章男社長は「みんなで考えていい車を造ろうと申し上げてきた」と述べ、商品力の強化や電動化を進めている経営状況などを説明。「悩み努力した結果、これだけの商品が出る会社になった」と成果を強調した。

    対ドルで1円の円安になると、トヨタの営業利益を450億円押し上げる効果がある。ただ、近健太副社長は「さまざまなサプライチェーン(供給網)があり、急激な変動は望ましくない」と語った。また、世界的な半導体不足でトヨタも生産の縮小を強いられ、納車遅れが生じている。熊倉和生調達本部長は「まだまだ苦労は続くのは間違いない」との考えを示した。

    トヨタの令和4年3月期連結決算は、最終利益が前期比26・9%増の2兆8501億円で過去最高を更新。今期は原材料高騰が響き、最終利益は約2割減少すると予想している。


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