米NBCテレビなどは3日、ロシアのウクライナ侵攻後、100頭以上のイルカが黒海沿いのトルコの海岸に打ち上げられたと伝えた。専門家は、ロシア軍艦や潜水艦からの低周波が原因である可能性が高いと指摘。「生物多様性の危機」だと警鐘を鳴らしている。
トルコの海洋生物専門家は、同国の黒海沿岸や他国でイルカの異常行動が確認されており、侵攻が生態系に恒久的な影響を与える恐れがあると指摘した。
ウクライナの専門家は、軍艦や潜水艦が使う水中音波探知機(ソナー)の低周波がイルカの位置認識を妨害していると分析。獲物を特定できなくなって飢えたり、パニックに陥って海岸に泳ぎ込んだりしている可能性に言及した。機雷に接触する恐れもあるという。
米海軍系シンクタンクは4月、ロシア黒海艦隊の拠点クリミア半島セバストポリ港に軍艦を守る目的でイルカが配置されていると指摘していた。(共同)