短文投稿サイトの「Twitter」を宣伝などに活用している企業は少なくないが、担当者の約2割が成果を実感していないことが分かった。フォロワー数(投稿を受け取るアカウントの数)やリツイート数(投稿が他のユーザーに再投稿された回数)などを指標にして積極的に運用する企業がある一方で、ノウハウ不足で活用しきれていないと悩む担当者も少なくないという。
マーケティング支援などを手掛けるテテマーチ(東京都目黒区)は2月28日~3月11日、同社のメールマガジンを購読している企業のTwitter担当者を対象にアンケートを実施。Twitterの企業活用について161人の回答をまとめた。
Twitterにかけている月次の予算について調べると、1万円未満とする回答が最多の45.3%で、10万円未満が全体の84.4%を占めていた。同社はInstagramについて同様の調査を行ったときの結果と比較して、Twitterは低予算で運用されているとした。
また、Twitterの運用担当者の人数を聞くと「1人」が最多の52.8%、運用にかけている1週間あたりの時間は「30分未満~2時間」が63.4%に上り、人員と時間を割けていない実情が浮かび上がった。
企業アカウントの運用で指標にしているもの(複数回答)は「フォロワー数」(61.5%)、投稿した内容に対して他の利用者がリツイートなどのリアクションを起こした割合を示す「投稿のエンゲージメント率」(36.6%)、「投稿のいいね数」(29.8%)、投稿が見られた回数を指す「投稿のインプレッション数」(29.8%)、「投稿のリツイート数」(26.1%)の順に多かった。「特に注力している指標はない」は13.0%だった。
Twitterが自社のビジネスに貢献している度合いを0~10の11段階で評価してもらうと「0(実感なし)」が19.8%で最も多く、最高評価の「10(実感あり)」は2.5%にとどまった。Twitterの企業活動についてはノウハウや知識の不足が課題だとする担当者は65.2%に上り、Twitterをビジネスにフル活用できている企業は多くないことが明らかになった。
その一方で「フォロワー数の増加に伴って売上高も多少伸びた」「SNSがきっかけで店を訪れた客が一定数いる」といったコメントもあり、Twitterが購買や来店に良い影響を与えたケースもあるようだった。また、「採用の側面では情報源として見てもらえている」と答える担当者もいたことから、情報発信のツールとして重宝されていることもうかがえた。