大創産業(広島市)は15日、100円均一の「ダイソー」など3ブランドを扱う初の売り場「マロニエゲート銀座店」を東京・銀座でオープンした。同店をグローバル旗艦店と位置づけ、47都道府県ごとに旗艦店を設置する計画だ。好調の国内100円ショップ市場は1兆円規模に到達する見込みで、大創産業はその最大手だが、創業50周年の今年を節目として店舗拡大の方針をさらに強めていくとしている。
100円グッズから今治産タオルまで
3月上旬、高級ブランド店が並ぶ銀座にダイソーが進出するというニュースが世間を驚かせた。しかし、ダイソーの店舗が入るマロニエゲート銀座2の1~4階にはユニクロの大型売り場があり、並木通りを挟んだ向かい側には無印良品の「世界旗艦店」が位置している。
カジュアルブランドの銀座進出は、もはや珍しくなくなったとも言える。低価格商品の業界でいうと今月下旬、300円の雑貨などを販売する「3COINS(スリーコインズ)」が西銀座デパートに出店する予定で、銀座の店の顔ぶれも徐々に変わりつつあるのだ。
大創産業がマロニエゲート銀座店で展開するのは女性向けの「THREEPPY(スリーピー)」、日用品などを扱う「Standard Products(スタンダードプロダクツ)」、そして100均ショップのダイソーだ。
THREEPPYの売り場は300円の価格帯を中心に、キッチン用品、タオル、皿などを販売する。従来の店舗で売っているキャラクターが描かれたグッズはほとんど扱わず、大人の女性が使いやすいデザインの商品を軸にしている。
Standard Productsでも300円の商品が多いが、価格にはばらつきがある印象だ。東京都葛飾区の老舗メーカーと開発した鉛筆(1本100円)、タオル作りで有名な愛媛県今治市産のフェイスタオル(500円)やバスタオル(1000円)など国内メーカーとコラボした商品が特徴。クッションやキャンプ用品などラインナップも幅広い。
メインであるダイソーの売り場はフロア面積の約6割を占める。食品や雑貨など、扱っている商品のカテゴリー自体は他のダイソー店舗とあまり変わらないが、「プチプラコスメ」と呼ばれる数百円の化粧品、工具やラッカーなど、各カテゴリーの品ぞろえが充実している。
少しマニアックなところで言うと、極小サイズのブロックを組み合わせて動物や乗り物を作るオリジナルブランドの玩具「プチブロック」のシリーズ商品が勢ぞろいしているのは珍しいだろう。
一般的な店舗では、十分な販売スペースがとれないなどの理由から「柴犬」と「トイプードル」、「三毛猫」と「アメリカンショートヘア」、「親ペンギン」と「子ペンギン」などモチーフが似た2商品を両方並べることは少ないようだ。
また、子供向けに駄菓子屋を模したお菓子売り場を作ったり、社会的に「SDGs(持続可能な開発目標)」の意識が高まっていることを念頭に、環境負荷を低減する食器を集めたコーナーを作ったりして差別化を図っている。