会員制交流サイト(SNS)への不適切な投稿をめぐり、仙台高裁の岡口基一判事(56)を罷免するかどうかを決める弾劾裁判について、国会の裁判官弾劾裁判所が証人尋問などの本格的な審理を今夏の参院選後に持ち越す方向で検討していることが14日、関係者への取材で分かった。裁判の長期化は避けられない見通しとなった。
弾劾裁判所は衆参両院の国会議員で構成され、参院選に伴って一部のメンバーが替わる可能性があったため、当初は今国会の会期中に判決を出す方向で調整を進めていた。関係者によると、裁判で岡口氏側が全面的に争う姿勢を示しているのに加え、議員らの日程調整も難航している。
弁護団によると、今国会中はあと2回程度の開廷で調整。検察官役の裁判官訴追委員会による冒頭陳述や書面の証拠調べなどが実施される可能性がある。証人尋問などは参院選後の9月以降に実施される見通しという。過去には初公判から判決まで9カ月以上を要したケースがある。