未就学児から小学生の児童をもつ約800人の親のうち、「子どもが電子マネーを使っている」と答えた割合は12.5%にとどまったことが、小学館が運営する育児メディア「HugKum」(はぐくむ)が行った「子どものマネー事情」に関する調査でわかった。電子マネーや仮想通貨など親世代にはなかったシステムが増え、子どもを取り巻く“お金”の状況も様変わりするなか、「お金を払う→お金が減る」というプロセスが体験できないことに「金銭感覚を養えない」と不安を覚える親が少なくないようだ。
調査は全国47都道府県に住む0歳~小学6年生までの子どもを持つ親818人を対象にインターネットを介して行った。
子どもへの「お金教育」について、どのような点に不安に感じているのかを尋ねたところ、「特にない」(24.6%)を除くと、「お金の価値が理解できていない」(21.7%)、「お金を計画的に使えない」(19.5%)といったお金の使い方などに対する子どもの認識を不安視する意見が多かった。一方で、「お金のことをどう伝えたらいいのかわからない」(16.5%)といった教える側としての悩みや、「お金に触れる機会がない」(10.0%)といったお金をめぐる環境的な悩みも少なからずあった。
「子どもとお金」にまつわる「失敗エピソード」について尋ねたところ、「自分(子ども)の財布のお金を気がついたら全てゲームセンターのカードゲームに注ぎ込んでいた」「小遣いをもらったらすぐに使ってしまい、残金がないことをいつも悔やんでいる」という実際のお金の使い方に関するエピソードのほか、「子どもに使わせていた親名義のiPadに紐付けてあった親のクレジットカードで勝手にゲームで課金(1万円)した」「いつも電子マネーを使っているため、硬貨や紙幣、おつりの感覚が分からない事が最近分かった」といった“目に見えないお金”の取り扱いに苦戦する声が寄せられていた。
お金の教育「伝え方がわからない」
「お金の教育」をめぐっては、今年度から中学校で、2022年度以降は高校で「金融教育」が導入されるなど、学校教育の場でも学ぶ機会が増える。こうした「お金」の教育に対する家庭での状況について複数回答で尋ねたところ、30.6%の親が「興味がある」、22.9%が「小さいころ、小学生から教えたい」と回答した。一方で、「興味はあるが具体的にはなにもやっていない」と回答した親の割合も24.4%にのぼった。
調査をまとめた「HugKum」編集部は「子どもの金融教育の必要性を感じながらも、子育て世代の多くは自分たちがお金教育を受けていないため、具体的に子どもへどう伝えるべきか、取り組み方がわからないのが本音のようだ」としている。