コロナ疑い患者への治療薬容認を 大阪知事が首相に要請

新型コロナウイルス対策についてオンライン会談した岸田文雄首相(右)と吉村洋文知事=9日午後、大阪府庁
新型コロナウイルス対策についてオンライン会談した岸田文雄首相(右)と吉村洋文知事=9日午後、大阪府庁

大阪府の吉村洋文知事は9日、岸田文雄首相とオンライン形式で会談し、新型コロナウイルスの抗体薬「ソトロビマブ」に関し、検査で陽性は確認されていないが感染が疑われる患者(疑似症患者)への投与を認めるよう要請した。高齢者施設などで感染が急拡大している現状を踏まえた対応。吉村氏が同日の記者会見で明らかにした。

厚生労働省が自治体に宛てた通知によると、疑似症患者への抗体薬投与について、デルタ株感染者への治療に有効とされた「ロナプリーブ」の投与は認めているが、ソトロビマブについては記述がない。

このため高齢者施設で感染者が出た場合、濃厚接触した高齢者らは検査で陽性と判明するまでソトロビマブの投与を受けられない運用になっている。府内では入院患者の8割を60代以上が占めており、重症化リスクが高い高齢者の早期治療が急務となっている。

また吉村氏は首相との会談で、ソトロビマブの投与実績が高い病院や感染が拡大している地域では国が医療機関ごとに設けている在庫数の上限を撤廃するよう求めた。吉村氏によると、首相は「早急に対応したい」と答えたという。

吉村氏は会見で「高齢者施設からの入院は多い。(ソトロビマブを)早く投与することが重要だが、障壁がある。首相に認識していただいたので改善してもらえると思う」と述べた。


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