昨年12月の全国のアルバイト平均時給は1210円で、初めて1200円台を上回り過去最高となったことが17日、国内最大級のアルバイト・パートの求人情報サイト「バイトル」などを運営するディップ(東京)の調査で分かった。“人手不足”対策で賃金を上げる事業者が多かったという。
「バイトル」に掲載された求人広告データをもとにした集計によると、全国の平均時給は前月比19円増の1210円(前年比87円増)。地域別では関東エリアが1248円(前月比13円増、前年比91円増)と最も高く、次いで関西エリア1222円(前月比8円増、前年比10円減)、九州エリア1168円(前月比55円増、前年比175円増)、東海エリア1163円(前月比12円増、前年比102円増)と続いた。平均時給はすべての地域で前月を上回った。
ディップの担当者は「年末の繁忙期にかけて物流系の求人、飲食の求人が増加しており、平均時給の上昇に寄与した」と分析している。昨年9月末に全国で緊急事態宣言が解除されたことで飲食店の客足が戻り始め、同10月以降、飲食や物流業界を中心に求人数が増加。電子商取引(EC)サービスも好調だったといい、“人手不足”に対抗しようと賃金を上げる事業者が多かったようだ。
職種別では、販売の平均時給が前月比10円増、前年比21円増の1041円、運搬・清掃・包装等が前月比102円増、前年比192円増の1267円となった。
ディップでは昨年12月、働く人の待遇向上の実現を目指した「ディップ・インセンティブ・プロジェクト」を開始。同社の担当者は「人材採用がうまくいくよう、求人を出す企業には『賃金を上げた形で募集してください』という提案をしている」と話す。「バイトル」に掲載されている求人件数のうち、1年以内に賃金がアップした求人件数は13万件超に上るという。