中古スマートフォン市場で米アップルの型落ちのiPhoneがなぜか人気だ。新機能が公開されるたびに大きな反響を呼び、多機能・高性能化が著しいiPhoneだが、発売から4~5年経過した旧型のiPhoneが中古市場で存在感を増しているという。スマホ、タブレットなどの携帯端末を年間10万台以上販売する「携帯市場」(東京)は型落ちiPhoneの魅力について「指紋認証と価格メリット」を挙げる。
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販売・買取ともに1位になったiPhoneは…
インターネット通販サイト「みんなのすまほ」「みんなのすまほ買取」で2021年1月1日~12月17日までの期間に販売・買取された端末数の実績値を基に作成したランキングで、2021年最も販売数が多かった中古iPhoneは「iPhone8 64GB」(2017年9月発売)だった。次いで「iPhone7 32GB」(2016年9月発売)、「iPhoneSE第2世代 64GB」(2020年5月発売)が続いた。
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携帯市場によると、コロナ禍の影響でマスクをしたままでは読み取りができない顔認証(Face ID)ではなく、指をあてるだけでロック解除可能な指紋認証(タッチID)を求めるユーザーが増えたのが要因。同機能を搭載しているiPhone8の人気は根強く、それに引きずられる形で同タイプで比較的新しいiPhoneSE 第2世代、安価で購入しやすいiPhone7が人気を集めているという。
一方、販売数が伸びた背景にはそれ以外の要因もあるようだ。携帯市場の営業部は、世界的にもよく売れたというこの2機種について「特に法人の利用が多い」と指摘。「法人営業部門もこの1年は過去最高の売上を記録した。新型コロナウイルスの影響を受け法人の買い控えも起きておきており、使い勝手が良く、2万円以下で買えるiPhone8、iPhone7に集中してきたのだろう」と分析する。
機能性に加え、法人利用の活発化、買い替えタイミングの長期化などが複合的に作用した結果、携帯市場ではこの2機種のみでiPhone販売数の約4割を占めるまでになった。
買取数のランキングでも上位の顔ぶれは変わらない。1位は「iPhone8 64GB」、2位「iPhoneSE第2世代 64GB」、3位「iPhone7 32GB」と順位に多少の変動はあるものの、この3機種が中古iPhoneの「顔」となっている。
同社は半導体不足の影響で、近年発売されたiPhone11や12などの高価格帯の中古iPhoneの買取価格が高騰する懸念もあるとみており、「2022年も2021年と同じような傾向が続く」との見方を示している。