京王線特急の乗客刺傷事件を受け、警視庁と京王電鉄は21日、笹塚―新宿を走行する回送電車内や新宿駅のホームで、無差別襲撃に対処する訓練を実施した。
警視庁によると、刃物を持った男が電車内で暴れて火を付けたと想定。新宿駅に停車後、110番通報で駆け付けた警察官がホームから車内に突入して男を取り押さえるとともに、駅員と連携して乗客を避難誘導する手順を確認した。
放火による火炎の白い煙をドライアイスで再現し、乗客役が車内の非常通報装置で車掌と通話しながら状況を伝える場面もあった。新宿署の向出和雄地域課長は「初動対応をどうやっていくのかを検証した。電車内での犯罪を許さないという姿勢で、警戒を徹底していく」と話した。
京王線の事件は10月31日に発生し、警視庁は、複数の乗客に対する殺人未遂容疑などで男(25)を逮捕した。