神戸市中央区の兵庫県立美術館で開催中の「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」(産経新聞社など主催)に、大和大学(大阪府吹田市)の学生らが課外授業で訪れ、同館の蓑(みの)豊館長(80)の解説を聞いて展示品を鑑賞。古代文明の神秘に驚きながら、展示手法などについて学んだ。
同展で展示されているのは、フランス・パリのルーブル美術館などと肩を並べる、オランダのライデン国立古代博物館の収蔵品。2万5千点の中から、ミイラと、その棺(ひつぎ)をはじめ、死者の書やさまざまな神像、石碑など約250点を厳選。CTスキャンによるミイラの分析など最新科学によるアプローチもみどころとなっている。
4日に訪れた学生ら約10人は、蓑館長とともに展示品を鑑賞。蓑館長が「昔はミイラを調べるために包帯をほどいたが、現在ではミイラを傷つけないようCTスキャンで調査する」などと解説すると、興味深そうにミイラや首飾りなどに見入っていた。
「町の中での美術館の役割」を研究テーマに扱う1年の青木美裕さん(19)は「美術館に来たのは初めてだった。展示品の中には古代のネックレスなどがあり、時間経過を感じさせない状態のよさに驚いた」と感想を語った。
蓑館長は「感性の豊かな若いうちに良い物をたくさん見ておくことは大切なことだ。今後も学生の見学を積極的に受け入れていきたい」と話していた。
同展は来年2月27日まで開催され、当日一般1800円、大学生1400円、高校生以下無料。予約優先制だが、空きがあれば当日入場もできる。