中国ビボのサブブランドIQOOが7月に、120Wの超急速充電技術を発表した。この最新充電技術を利用すると、4000mWh容量のバッテリーを搭載したスマートフォンを、わずか15分で満充電することができるという。
数字を見ただけでは、ピンと来ない人も多いと思うので、アップルのiPhoneと比較してみたい。iPhoneは、iPhone 8以降の機種が急速充電に対応しているが、この急速充電に使える電源アダプタの最大出力は18Wである。アップルによれば、出力18WでiPhone 8以降の機種を充電すると、最大50%まで充電するのに約30分かかるというので、「15分で100%充電」がどれだけ高速であるかがわかると思う。
余談だが、現在販売中のiPhoneで、18Wの電源アダプタを同梱しているのはiPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxのみ。それ以外のiPhoneに同梱されているのは5Wの電源アダプタである。つまりiPhone 8以降の機種が急速充電に対応しているといっても、同梱の電源アダプタではその恩恵を受けることはできないので、別途18W電源アダプタを購入する必要がある。
急速充電技術をアピールしているのはIQOOだけではない。中国オッポは同じく7月に、4000mAhのバッテリーを20分で100%まで充電できる125Wの充電技術「フラッシュチャージ」を発表した。バッテリー残量が0%の状態から41%の状態まで充電するのには、5分しかかからないという。
中国リアルミー(2019年にオッポから完全分社化)も7月、125Wの超急速充電技術「ウルトラダート」を発表。同社によると、4000mAhのバッテリーを0%から33%から充電するのにかかる時間はたった3分である。
そしてクアルコムも7月に、スマホの急速充電技術の最新規格である「クイックチャージ5」を発表した。0%から50%までの充電にかかる時間は5分で、現行の規格であるクイックチャージ4と比べると、充電効率が最大70%向上している。またクイックチャージ4が対応する充電出力は45Wだが、クイックチャージ5は100W超の充電出力に対応している。
ちなみに多くのスマホのバッテリーは耐用年数を延ばすため、容量の80%程度までは高速充電し、その後は低速のトリクル充電に切り替わる仕組みを採用しているので、0%から50%の充電にかかる時間よりも、50%から100%充電にかかる時間のほうが圧倒的に長い。