知恵の経営

経営にも通じる、イチローの会見 (1/2ページ)

坂本洋介

 シアトル・マリナーズのイチロー選手が3月21日、現役引退を発表した。日本で9年、アメリカで19年。日米通算4367安打という記録や、日本人野手の大リーグ挑戦のパイオニアとしての貢献は計り知れない。(アタックス研究員・坂本洋介)

 そのイチロー選手が、現役引退会見をしたときの内容に、企業経営と重なる部分が多くあったので、今回はそれを取り上げてみたい。

 まず引退の理由として挙げたのが、「キャンプ終盤で結果を出せず、それを覆すことができなかった」という言葉だ。これは、スポーツ選手に限らず、企業経営者にも同じことがいえる。常に社員・顧客に価値を提供し、満足度を高める。その結果が、数字として売り上げや利益に現れる。売り上げ・利益が上げられないということは、自身が価値の提供をできなくなっている。自社の製品・サービスが世の中に求められなくなっているということの証明であり、覆せないようなら、潔く自身の引き際を考えるべきだろう。

 続いて、野球の魅力を問われた際、「団体競技なんですけど、個人競技なんですよ。それが面白い。個人としても結果を残さないと生きていくことはできない。本来はチームとして勝っていけば、チームのクオリティーは高い。でも決してそうではない」と答えている。

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