地方発26歳女性プロゲーマーの素顔 (下)「鉄拳」は人生 (1/4ページ)

取材に応じるたぬかな選手
取材に応じるたぬかな選手【拡大】

  • 笑顔で取材に応じるたぬかな選手
  • ゲームを抱えるたぬかな選手
  • 「eスポーツの裾野を広げたい」と話すたぬかな選手

 格闘ゲーム「鉄拳」専門の女性プロとして世界で活躍している、たぬかな選手(26)。高校卒業後、ひょんなことから導かれるかのようにゲームのプロの道に入ったものの、まさかの敗北続き。腕を磨き、結果を残すようになった今、壮大な夢を抱えている。その夢とは。(小松大騎)(上は昨日掲載しています

 「勝って当然」厳しさ痛感

 --工業高校を卒業後は

 たぬかな 当時はまだプロゲーマーという存在自体、なかったと思います。それに、建設会社に務めていた祖父が普段から日曜大工でベッドなどを手作りしていた姿に憧れ、設計士になりたいという夢がありました。「プレイステーション2」の「マイホームをつくろう」という、依頼主の発注を受けて家を建築するゲームにはまっていたこともあり、卒業後は徳島県内の設計事務所に就職しました。

 --仕事はどうでしたか

 たぬかな それが、働き始めて1年後に社長が夜逃げして、無職になってしまいました(笑)。

 --まさかの展開です

 たぬかな 人生、何が起きるか分かりませんね。親には「ちゃんとした生き方をしろ」といわれ、しばらくアルバイトを3つほど掛け持ちして生計を立てた後、アパレルショップに正社員として就職しました。その会社には鉄拳のようにランク分けがあって「この仕事ができれば○○レベル」みたいな制度でした。仕事をがんばればランクが上がるので、ゲーム感覚で仕事も楽しめました。

 --その後、プロになった経緯は

「毎日鉄拳をしてお金がもらえる!」