国内

リーマン破綻、日銀対応後手に 直後からの議事録公開、危機意識に鈍さ

 日本銀行は29日、2008年7~12月の金融政策決定会合の議事録を公開した。リーマン・ショック直後の世界的な株安連鎖と金融危機の深刻化を前にしても「(日本経済が)大きく落ち込む可能性は小さい」(当時の白川方明総裁)と楽観し、対応が後手に回ったことが分かった。米欧中央銀行の協調利下げで円高が進み経済が混乱した結果、日銀は年末までに2度の利下げを迫られた。

 「わが国経済はやや長い目で見れば、物価安定のもと持続的な成長経路に復していく姿を想定していい」

 白川総裁がこう指摘したように、米大手証券リーマン・ブラザーズの破綻から3週間たった10月6、7日の決定会合では景気が次第に穏やかな回復基調に戻るとの見方が大勢を占め、日銀は政策金利の誘導目標を0.5%に据え置いた。

 日本波及認識せず

 金融危機で米欧金融機関の信認が低下した結果、金融機関同士がお金を融通し合う短期金融市場では「次に潰れるのはどこだ」との疑心暗鬼から資金の出し手がいなくなり、日銀など各国中銀が大量のお金を供給して資金繰りを支援した。

 ただ、連鎖破綻の危機が迫ったのは米欧の金融機関で、日本では下振れリスクの一つとの認識にとどまっていたようだ。

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