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建国の日「知っている」は2割未満 「自国誇り」の日本人は73%
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日本が建国された日を知っている日本人は2割未満-。若手経営者らでつくる日本青年会議所(日本JC)が11日の建国記念の日を前に、建国に関する意識調査を行ったところ、そんな結果が出た。国内在住の外国人は中国で100%、米国やカナダで9割超が「自国の建国・独立の日」を正しく答えており、日本人の建国に対する意識の低さが鮮明に浮かび上がった。
調査は1月、北海道から沖縄まで全国10都市の街頭で18歳以上の男女約1万人にヒアリングした。「日本が建国された日はいつか」との問いに「2月11日」と答えたのは19・3%で、年齢別の内訳は25~39歳が14・9%で最も低く、18~24歳が16・2%、40~59歳が19・4%。最も高い60歳以上でも44・3%だった。
同様に日本国内の街頭ヒアリングと、委託した調査会社があらかじめ登録されている日本国内在住の外国人の中から無作為抽出した各国の18歳以上の男女計300人にメールで尋ねたところ、「自国の建国・独立の日」を正しく答えた割合は中国が100%でトップ。カナダ97・7%、米国91・3%などと続いた。母数が異なるため単純な比較はできないが、日本は極めて低かった。
日本人対象のほかの調査項目では、約4割が「日本の建国に関する歴史を学んだことがない」と回答。約7割が「自国の成り立ちを学ぶ『国史教育』の充実」を必要と答えたほか、約6割が「日本でも建国を祝う行事を開催した方がいいと思う」と回答した。「日本という国を誇りに思うか」との問いには、73・0%が「思う」だった。
日本JC国史会議議長の棟久裕文(むねひさ・ひろふみ)氏は「日本では自国を誇りに思いながら、建国は知らないという矛盾した状況になっている。グローバル社会に向け、義務教育段階から建国を含めた国史教育を充実させていく必要がある」と話している。
明治新政府が天皇中心の近代国家建設を目指し、明治6年、日本書紀により初代天皇の神武天皇が即位したとされる2月11日を「紀元節」と定め「建国の日」とした。
紀元節は先の大戦後に廃止させられたが、国民の強い要望を受け、昭和41年の祝日法改正で「建国記念の日」として復活。ほかの国では植民地からの独立や革命の記念日を建国の日としているケースが多い。