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【香港民主化デモ】対話合意も占拠拡大 民主派に足並みの乱れ
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3日、香港九竜地区のモンコック(旺角)駅前で、親中派の男らの襲撃からデモ隊を守る警察官(田中靖人) 【香港=河崎真澄、田中靖人】香港で「真の普通選挙」を求め、幹線道路などを占拠する民主派の街頭行動は、連休明けの3日も続いた。香港政府と学生団体の大学生連合会(学連)が2日深夜(日本時間3日未明)、対話することで合意したにもかかわらず、デモ隊の一部は占拠を拡大。足並みの乱れが露呈した。
学連は当初、2日夜までの梁振英行政長官の辞任を要求、デモ隊が政府庁舎と長官弁公室(官邸)の周辺に押し寄せ、その数はピーク時に数万人に達した。
学連の対話受け入れで学生の大半がその場を離れたが、一部のデモ参加者が3日午前、周辺の道路を封鎖したため、政府庁舎が一時閉鎖に追い込まれた。占拠6日目で、政府機能が一時まひする事態となった。
官邸前では3日朝、警官らの食事を運ぶトラック2台がデモ隊に阻まれた。また、官邸から車両が出る際に警官が強制的に通路を確保。一時混乱になった。
一方、九竜地区のモンコック(旺角)では、街頭占拠に反対する親中派の市民団体や付近住民などが、デモ隊のテントを引き倒すなどして衝突し、警官隊が人垣を作って引き離した。
香港市内では、3日も200以上の路線バスが運行を停止したり、ルートを変更したりして、交通混乱が続いた。一部の小中学校は3日も休校。市民生活への影響が深刻化している。
香港の株式市場は連休明けの3日、通常通り取引が行われた。前営業日までの下落で割安感が出てやや反発。デモ影響による下落傾向にストップをかけた。