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自動車税見直し、燃費や環境性能を加味 総務省検討会が報告書

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自動車税見直し、燃費や環境性能を加味 総務省検討会が報告書

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 総務省の自動車関係税制に関する有識者検討会は17日、自動車を保有する人が毎年、地方自治体に納める自動車税と軽自動車税の見直し案を盛り込んだ報告書原案をまとめた。

 現在はエンジンの排気量に応じて課税しているが、燃費や環境性能も加味した課税方式に改める方法など複数案を提言した。同報告書をたたき台に与党税制調査会で最終的な結論をまとめ、年末の税制改正大綱に盛り込む。

 自動車税と軽自動車税は、現在の課税方式だと、エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド自動車でも税率が優遇されないケースがある。報告書では、環境に優しい車への買い換えを促す目的から、軽自動車も含めて燃費などを考慮する複数の案を提示。その中で、1年目に限って燃費の良い車を減税する半面、二酸化炭素を多く出す車は増税になる税率を設定する案と、燃費に応じて税金を割り引く案を推奨した。

 この案が年末の税制改正大綱に盛り込まれれば、燃費の悪い高級車だけでなく、税率が極端に低く抑えられている軽自動車が増税になる可能性もある。

 自動車税と軽自動車税はいずれも地方税で、車を保有していれば毎年払う必要がある。税額は自家用車が年2万9500円~11万1000円、軽乗用車は年7200円。税のあり方を見直すのは、消費税率が10%に上がる2015年10月に自動車取得税(地方税)が廃止されるためだ。現在は取得税を軽減する形で実施されているエコカー減税制度が手薄になるため、その趣旨を継続させるほか、取得税廃止に伴う1900億円の地方の税収減少分を補う代替税源を生み出す狙いもある。

 政府・与党は、14年4月に消費税率が現在の5%から8%に上がるのに備え、増税後の新車販売の落ち込みを防ぐため自動車取得税の前倒しでの減税を検討している。日本自動車工業会は消費税増税分に当たる3%の引き下げを要望するが、報告書では「単純な税率引き下げは、エコカー減税が適用されていない環境性能に劣る車の取得時負担を一律に下げる効果を持つなど問題がある」と否定的な見解を示した。その上で消費税率8%時点では「10年度燃費基準を満たした自動車への減税拡大で駆け込み需要とその後の反動減は緩和できる」と指摘。政府に対して、さらなるエコカー減税策の拡充を求めた。

 自動車税と軽自動車税の見直し案

 【見直しのタイミング】

 A案 2015年10月の自動車取得税廃止後、環境性能に応じて自動車税・軽自動車税の税率に税金を上乗せ

 B案 最初の車検までの3年度間、特例税率を上乗せ

 C案 購入初年度に特例税率

 【課税基準】

 (1)案 燃費

 (2)案 排気量をベースに、燃費に応じて課税額が変動

 (3)案 燃費と取得価額をベースに、燃費に応じ税金を控除

 ※A~C案と(1)~(3)案を組み合わせた9パターンから最終案を選択

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